ispace（証券コード：9348）「サウジアラビア王国における連結子会社設立」について考察する

今回のサウジ進出はispaceの未来にとって極めて大きな意味を持つ可能性が高い「戦略的マイルストーン」
🚀中期的には強気材料、ただし 短期収益には寄与しないためボラティリティが高い状態は続くと予想

• ispaceが生き残る鍵は 国際的な長期パートナー獲得
• サウジアラビアは 宇宙開発・月面インフラ投資を国家戦略レベルで拡大中
• 月面開発事業は 超長期・超巨額市場を形成する可能性がある

今回の子会社設立は その市場に食い込むための布石。

ただし、2026年3月期への業績影響は 軽微で短期で利益が出ることはない。

ということは、資金調達リスクを常に抱えている状態。

長期ではプラスになるかもしれないが、中短期では上下が激しい投機的銘柄

🏜 1. なぜ ispace は“サウジアラビア”なのか？（最重要ポイント）

結論：サウジアラビアが宇宙に力を入れているから

Saudi Arabia and US sign strategic space cooperation agreement, reinforcing Saudi Arabia’s ambition to become a competitive player in the global space economy.
（サウジとアメリカが宇宙分野で正式に協力することを決定。この協定により、サウジは衛星開発・宇宙技術・宇宙産業全体で国際競争力を高める狙い。）

サウジアラビアは「VISION2030」の一環として、宇宙分野へ投資を始めています。

その狙いを考察すると

• 脱石油、宇宙産業を新たな経済成長エンジンにしたい
• 宇宙分野で国際的な地位の確立
• 衛星技術の国産化・軍事的安全保障の強化
• 宇宙分野の人材育成・教育強化
• 通信衛星網の強化

と考えることができます。

🌓 2. ispace の技術がサウジアラビアのニーズに一致か

サウジアラビアが求めているものは宇宙分野での技術。

ispaceの提供可能技術としては、HAKUTO-Rなどの月面着陸の技術や、月面輸送サービス（実績はなし）などがあります。

つまり両者は利害が一致する戦略的パートナー候補とも考えられます。

🧩 3. なぜ「連結子会社」なのか？（超重要）

連結子会社を作るということは、

• サウジアラビアで 継続的な事業活動 を行う意思
• 仮説ですが、単なる「販売拠点」ではなく共同プロジェクトを前提にした月面開発拠点

という意図を考えられます。

特に注目すべきは事業内容の月面開発事業。

ispaceは本気でサウジアラビアと共同で月面インフラを作るつもりではないのかと考えられます。

🧮 4. 財務面の考察

資本金109百万円

• 初期拠点作り
• 人材確保
• 現地調査

のための運転資金と考えられます。

今後、サウジアラビア政府、ファンド、大型企業の出資も考えられなくはありません。

ただし注意点として

• ispaceは常に 資金調達リスク がある
• 月面事業は莫大な資金を必要とする
• 追加の希薄化（MSワラント）が起こりやすい

→ 株価の上昇を長期的に抑える要因にもなる。

🌕 5. 株価への影響（短期・中期・長期）

短期

• 業績インパクト無し
• PR効果は強い
• 材料としてはポジティブ
• ただし株価急騰後は反落しやすい

中期

• 研究費提供
• 技術協力契約
• 月面ミッション発注
• 資金支援

などが入れば、株価が大きく変動することもあり得る

長期：最重要

もし、サウジアラビアが

• 月面採掘インフラ
• 月面通信網
• 月面ロボット群
• 月面物流網

などを国家プロジェクトにした場合、ispaceは 月面ビジネスの主要プレーヤー になる可能性大。

その時のispaceは「利益が出ているかどうか」ではなく月面でのポジションを握っているかどうか

🧠 6. ispaceの今後のリスク

• 月面着陸成功率の低さ（HAKUTO-Rは失敗）
• 資金調達
• 国際政治リスク
• 宇宙ビジネスの不確実性

など多くのリスクを抱えていますので、長期的にみても必ず株価が上昇するとは限りません。

🧭 7. 総合評価（私の見立て）

ispaceは、宇宙インフラ戦争に参加する希少企業である一方で収益化まで時間がかかるリスクを抱えているが、サウジアラビアの子会社は巨大なチャンスの入り口だと考察できます。

• 将来の大型契約につながる可能性
• ispaceの企業価値を根本から変える可能性

⭐️ 最終結論

• 今回のサウジ子会社設立は “業績への影響は軽微”でも 企業価値の根幹を左右する超重要材料
• ispaceは、短期はギャンブル・長期は夢のあるテーマ株
• 2026年以降の月面着陸成功・サウジアラビアとの共同プロジェクトが大きな鍵